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知財ビジネス管理パート1:連携した知財管理ソフトウエアによる効率性の向上

知財ビジネス管理
Tags: AQX知財総合管理ソリューション

アナクアは数百にのぼる経営幹部、知財運用マネージャー、ITマネージャーを対象にアンケート調査とインタビューを実施してきました。この中で話題に上ったテーマの1つは、知財管理のプロセスとシステムをデジタル化し、包括的に連携して効率を高めることの必要性です。

 

市場調査会社インターナショナル・データ・コーポレーション (International Data Corporation) の調査によると、「非効率性」により企業は毎年20%から30%の収益を失っているとの報告があります。(出典)。非効率なプロセスは、手作業や冗長なプロセス、旧式のテクノロジー、各々が孤立したサイロ型のビジネスモデル、不十分なシステム統合により生じます。

 

課題:複数のシステムが使用され手作業プロセスが負担となる知財部門

アナクアが実施したインタビューなどの知財責任者との会話は多くの場合、効率的な運用が必要とされているが、ソフトウエアとシステムが十分に連携されていないことから生まれる課題についての議論からスタートされます。

また、デロイトが2021年に実施した「知財法務担当者の状況調査(Deloitte 2021 State of Legal Operations Survey) 」では、次のことが明らかになっています:テクノロジーの新旧にかかわらず、「企業知財法務部門の45%は、プロセスサポートに5から10の複数のテクノロジーを使用しており、30%は10以上の異なるテクノロジー・ソリューションを使用している。(出典:P.16~19)・・・調査参加者の半数以上(52%)は、部門で使用するテクノロジーは一貫したデータ分類によって統合されていないため、ワークフローやリアルタイムに報告されるデータは把握できない、と述べている。」

多くの知財部門は、特許商標管理ソフトウエア、分析ソフトウエア、知財費用ツール、文書管理システム、会計ソフトウエア、イノベーション管理ソフトウエアなど複数のソフトウエアを利用している可能性があります。 知財専門家は1日中、外部情報源からのデータ収集と、知財ポートフォリオを管理するための社内システムの操作とに注意を分散させられています。それらにより知財チームが直面し得る例をいくつかご説明します。

  • 予算の効率的な管理:知財チームは、知財に関連する請求書を容易に追跡し、予算に対して支出をチェックしたいと考えます。しかし予算に関する情報は通常、個別に管理され、財務部門とは連携されていません。このデータを抽出して予算を提示するには、多くの手作業が必要です。
  • 文書管理の合理化:独自の文書管理システム(DMS – Data Management System)を使用している企業にとって、同じレコード(情報)を複数回作成することには何の意味もありません。しかし多くの場合、レコードは複数のソフトウェアシステムで登録が必要な場面があり、繰り返しの複製作業が行われています。
  • 知財チームと研究開発チームの連携:知財ポートフォリオ担当者や研究開発の責任者は、発明のパイプラインをエンドツーエンドで理解するために、複数のソフトウェアシステムを頻繁に使用します。知財と研究開発を結びつける協働ワークスペースを見つけることは、ときに困難です。さらに、プロジェクトの追跡とデータ分析に各チームが使用するツールが連携されておらず、保持する情報が異なるワークストリームに分離されている場合もあります。チームメンバーが孤立した状態ではなく連携して効果的に作業するには、特定の問題に関する意思疎通のための共有メッセージボード(コミュニケーションチャンネル)が必要となることもあるでしょう。

 

知財業務を合理化するはずのさまざまなシステムは、確認しなければならないシステムや場所が多すぎると、かえって非効率につながる可能性があります。データは1つのシステムから別のシステムに自動で流れないため、知財チームは往々にして1つのシステムと他のシステムが情報をやりとりする方法を模索しなくてはなりません。

複数の場所に手動でデータを入力し、異なるシステムへのログインやログアウトに時間を費やし、外部事務所や内部関係者のために必要なデータを逐次、抽出する必要も生まれます。文書や請求書、その他のレコードはそれぞれ別のシステム上で保管されるため、結局はそれらを重複して各システムに対して作成することにもなります。このような状況では、余分なコスト、膨大な冗長作業、データエラーなどが生じかねません。

 

総合的に連携した知財管理ソフトウエアの利点

アナクアは、知財プロフェッショナルにとってより多くの価値を創造することを目指しています。その1つがAQX ®です。AQXは、社内の知財部門や特許事務所が日常的に使用するすべてのプログラムを統合する、総合的に連携された知財管理プラットフォームです。
アナクアクライアントの多くも、前述のように効率的ではない旧式の知財システムまたは自社製の知財システムを使用していました。アナクアを利用し始めたことで、統合された知財管理プラットフォームがもたらす改善を体験しています。

 

ディボールド・ニックスドルフ社 (Diebold Nixdorf) のバイスプレジデント兼知的財産担当エグゼクティブカウンセルであるエドワード・クルックス氏 (Edward Crooks) は、次のようにコメントしています。
「当社は世界中で急速な成長を続けており、分析機能とダッシュボードが組み込まれた知財システムを探していました。私たちは、アナクアの完全に連携した知財管理ソリューションとその統合サービス、ワークフローの自動化、社外関係者との連携のしやすさに感銘を受けています。」

 

総合的に統合された知財プラットフォームへ移行することは、知的財産部そしてビジネス全体に対しても、大きな効果をもたらすでしょう。知財チームは、案件情報管理、特許庁書類の送受信、年金の支払い、請求書、知財費用の予測、知財ポートフォリオの分析など、自社知財資産を管理するために必要なツールを、統合されたプラットフォームから必要に応じて利用することが出来るようになります。初めから統合された完全な1つのシステムは、複数の部分をすべて足し合わせたものよりも優れ、そこから生み出される価値はより大きくなります。

 

次回配信のPART2で本ブログの続きも是非ご覧ください。

筆者:ヴィンセント・ブラウト(シニア・バイス・プレジデント プロダクト&イノベーション)